疲れ果てたマンコの決断 自ら退団を申し入れてビナシオナルを去る 移籍先は未定

2020.06.11 リーガ1 (ペルー1部リーグ) 2020

▲ クラブの会長との軋轢からデポルティーボ・ビナシオナルを去ることを決めたレイモン・マンコ

マンコがフリアカを離れる決断をした。ペルー国内リーグの前年王者であるデポルティーボ・ビナシオナルは11日、レイモン・マンコとの契約解消を twitter などSNSで発表した。

ビナシオナルの発表には、マンコからの契約解消の打診があった背景を明かし、クラブの経営陣はマンコの意向を尊重することにしたとしている。

「短い期間ではあったが、我々とともに闘ってくれたレイモン・マンコに感謝する。そして我々は、マンコの将来の成功を願っている」

今回の契約解消について、波風が立たなかったわけではない。COVID-19(新型コロナウイルス感染症)のパンデミックによってサッカーの公式戦が中断したのを受けて、マンコ自身は貧困層への食料物資支援などの慈善活動に積極的だった。だが、その一方で所属選手の給与75%カットを提案した首脳陣に対してマンコが猛反発したり、所属選手らに向けていつどのような段階でチームを再生させていくかといったロードマップを一向に示さないビナシオナルの会長に対し、マンコは真っ向から批判。会長とマンコの対立はペルー国内のメディアでも取り上げられ、会長側が「私はマンコの口に指を入れた記憶はない」と、言論弾圧などの圧力を否定する発言も出ていた。

そんな一連の対立が、マンコに精神的な疲弊をもたらしていた。契約解消が決まる前日の9日に、マンコは次のようなコメントを出していた。

「私は移籍先を探している。今の会長との戦いに心底疲れている。私は関連性のないものを要求しているのではなく、法律に基づいた主張をしているだけだ。もうクラブと対立することにうんざりしているから、私は去ろうと考えている」

こうしてビナシオナルを退団することになったマンコは、リベルタドーレスが再開してもリーベル・プレートやサンパウロと対戦する機会を失したことにもなる。

◆ レイモン・マンコ

本名:
レイモン・オランヘル・マンコ・アルバラシン
生年月日:
1990年8月23日生まれ(29歳)
出身:
ペルー(ルリン)
身長:
172cm
ポジション:
ミッドフィルダー

17歳だった2007に名門アリアンサ・リマでデビューすると、同年にはU-17ワールドカップにも出場して3ゴールをマークし、一躍脚光を浴びた。18歳の若さでオランダの名門PSVアイントホーフェンに移籍したが、1年半でペルーに戻った。その後は国内外で移籍を繰り返していて、やがてペルー代表にも招集されなくなっている。ウニオン・コメルシオで復調すると、2019年はレアル・ガルシラッソに加入したが、新監督との確執や起用法への不満などからわずか5ヶ月間で退団。同年7月にスポルト・ボーイスに加入してチームの1部残留に貢献した。