マンコの新天地は速やかに決まった。デポルティーボ・ビナシオナルとの契約を解消した29歳のレイモン・マンコについて、アトレティコ・グラウが16日に加入を発表した。
前所属先のデポルティーボ・ビナシオナルと揉めていたマンコは、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)のパンデミックによる余波で、チームから健康保険の解約要請があったことまで明かし、わだかまりは並大抵のものでなかったことを明かした。かくしてフリーになったマンコに触手を伸ばしたのは、パンデミックによる中断前でリーガ1(ペルー1部リーグ)の最下位に低迷しているアトレティコ・グラウだった。
2020年のマンコは、2019年と似たような轍を踏んでいる。2019年のマンコは、レアル・ガルシラッソ(現在のクスコFC)に加入してリベルタドーレスの予備戦ではスーパーロングシュートを決めるなど異彩を放ったが、その後前期で最下位に甘んじたスポルト・ボーイスに加入すると、チームを降格の危機から救う立役者となった。このたび加入したアトレティコ・グラウもまた中断中の前期では最下位にあり、マンコには「残留請負人」としての期待が寄せられている。
しかし、当のマンコはアトレティコ・グラウでの目標を高く掲げている。マンコが口を開いた。
「アトレティコ・グラウに加入できて嬉しい。このような機会をいただいたことに感謝している。ラファエル・カスティージョ監督からのアプローチも加入の決め手になった」
「ここでの目標は残留ではなくて、チームをスダメリカーナまたはリベルタドーレスの圏内にまで導くことだ。そのために、前期の残りと後期でひとつでも多くの勝利を収めることを重視して戦う」
ひとまずの契約期間を年内としたマンコだが、今後の状況によっては1年延長もプランにあるとしている。
マンコの前所属先であるデポルティーボ・ビナシオナルは、ペルー南部ティティカカ湖のふもとフリアカがホームタウン。一方でこのたびマンコが加入したアトレティコ・グラウは、ペルー北部のピウラをホームタウンとしていて、マンコはペルー国内を南から北へ大移動したことになる。ピウラは、スペイン人侵略者フランシスコ・ピサロによって建設されたペルー初のキリスト教徒の街。ピウラから北へ約100km移動すると、北西に太平洋を望むマンコラ(Máncora)にもたどり着く。
◆ レイモン・マンコ
- 本名:
- レイモン・オランヘル・マンコ・アルバラシン
- 生年月日:
- 1990年8月23日生まれ(29歳)
- 出身:
- ペルー(ルリン)
- 身長:
- 172cm
- ポジション:
- ミッドフィルダー
17歳だった2007に名門アリアンサ・リマでデビューすると、同年にはU-17ワールドカップにも出場して3ゴールをマークし、一躍脚光を浴びた。18歳の若さでオランダの名門PSVアイントホーフェンに移籍したが、1年半でペルーに戻った。その後は国内外で移籍を繰り返していて、やがてペルー代表にも招集されなくなっている。ウニオン・コメルシオで復調すると、2019年はレアル・ガルシラッソに加入したが、新監督との確執や起用法への不満などからわずか5ヶ月間で退団。同年7月にスポルト・ボーイスに加入してチームの1部残留に貢献した。2020年は前年王者のデポルティーボ・ビナシオナルに移籍してリベルタドーレスにも出場したが、COVID-19のパンデミックによる中断期間中に首脳陣と対立して退団。アトレティコ・グラウへ活躍の場を移している。元ペルー代表。