A代表デビューから14年 当時17歳のマンコには輝かしい未来が待っていると誰もが思っていた

2022.02.06 ペルー代表

▲ 2008年2月にラ・パスでの国際親善試合ボリビア戦でA代表デビューを果たしたレイモン・マンコ(当時17歳)

さかのぼること14年前の2008年2月6日、ボリビアの首都ラ・パスにはペルーA代表デビューを果たしたレイモン・マンコがいた。高地に降り注ぐ真夏の太陽は、まだヒゲも薄い17歳の青年を明るく照らしていた。

前年の2007年3月にU-17南米選手権でチームを4位に導き、大会MVPにも輝いたマンコは、同年4月には名門アリアンサ・リマでプロデビューを果たす。そして翌2008年の1月29日、A代表において複数の負傷者が出たのを受けて、当時の代表監督ホセ・デル・ソラール氏はマンコを招集。ボリビア戦(2-1で勝利)、コスタリカ戦(3-1で勝利)にて才能の片鱗を覗かせたマンコに、ペルー国民は熱狂した。

だが、マンコがA代表でプレイしたのはわずか7試合で、すべて親善試合だった。南米予選など公式戦でのA代表出場歴はなく、マンコが最後に代表のユニフォームを着てプレイしたのは2013年8月の韓国戦。2015年にリカルド・ガレカ監督が就任して以降は、一度も代表に招集されていない。

これまでにも、マンコを求める声はあった。ロシア大会前の2018年3月には、当時代表でテクニカルアシスタントコーチを務めていたノルベルト・ソラーノ氏が、「おもしろい可能性を秘めている」と“マンコ待望論”を公言。また、マンコ自身が「準備はできている」とガレカ監督にアピールしたこともあった。しかし、度重なるアピールもガレカ監督はここまででマンコを招集してはいない。

あのラ・パスでのまぶしい夏の日から14年の歳月が流れ、31歳になったマンコはペルー2部のサントス・デ・ナスカに身を置いている。かつてPSVアイントホーフェン(オランダ)など欧州の第一戦にいた頃の面影はなく、本人も欧州行きを考えてはいない。それでも、「現役を続けている限りは代表復帰を目指す」とマンコはたびたび口を開く。

2022年はカタールでワールドカップが開催される。今年こそ、A代表にマンコが招集される日は訪れるのだろうか。

◆ レイモン・マンコ

本名:
レイモン・オランヘル・マンコ・アルバラシン
生年月日:
1990年8月23日生まれ(31歳)
出身:
ペルー(ルリン)
身長:
172cm
ポジション:
ミッドフィルダー

17歳だった2007に名門アリアンサ・リマでデビューすると、同年にはU-17ワールドカップにも出場して3ゴールをマークし、一躍脚光を浴びた。18歳の若さでオランダの名門PSVアイントホーフェンに移籍したが、1年半でペルーに戻った。その後は国内外で移籍を繰り返していて、やがてペルー代表にも招集されなくなっている。ウニオン・コメルシオで復調すると、2019年はレアル・ガルシラッソに加入したが、新監督との確執や起用法への不満などからわずか5ヶ月間で退団。同年7月にスポルト・ボーイスに加入してチームの1部残留に貢献した。2020年は前年王者のデポルティーボ・アリアンサ・ウニベルシダーに移籍してリベルタドーレスにも出場したが、COVID-19のパンデミックによる中断期間中に首脳陣と対立して退団。アトレティコ・グラウへ移籍したが、チームを残留には導けなかった。2021年にはアリアンサ・ウニベルシダーに加入したが、こちらでもチームを残留には導けず。元ペルー代表。