30歳のレイモン・マンコは、ペルー代表への復帰をあきらめていない。現役である限り、代表復帰を目指していると改めて明言した。
2013年の親善試合(韓国戦)を最後にペルー代表と疎遠になっているマンコだが、代表を愛するマンコの想いは揺らぐことがない。
「ペルー代表が勝つと興奮するし、負けると悔しくて苦しむ。私は現状に満足しているものの、もっと高みを目指したいし、巧くなりたいんだ。再び“赤い襷”(ペルー代表)のユニフォームを着るためにね」
マンコはただ願望を抱いているだけではなく、それを叶えるために日々の努力を惜しまない。「目の前の試合でベストを尽くす」ことを重視しているマンコは、ペルー代表のリカルド・ガレカ監督がいつか自分に声をかけてくれることを切望している。
「私は現役を引退するまで、チョコレートを持っている。それは、薬局では売られていない。神が我々に与えてくださるものだ。攻撃の組み立てがうまい選手もいれば、視野の広い選手も、ゴールを決めるのが得意な選手もいる。代表に招集される要素は十人十色だ。現役であれば、また代表に呼ばれるチャンスはあると信じている」
そんなマンコには、パオロ・ゲレーロやジャンルカ・ラパドゥーラのゴールをアシストする決定的なパスを出したいという願望もあるという。その一方でマンコは、久しく代表から遠ざかっている理由についても冷静に自己分析している。
「代表に呼ばれないのは、きっと今の自分に足りないところがあって、それを補い伸ばす必要があるということだろう。もっと練習することもそうだし、試合でもっとゴールを決めることも重要だろうね。もしくは、(ガレカ監督が)現在の代表の編成を変えることを嫌っているとするなら、それでなかなか呼ばれないのかもしれないが」
振り返れば、マンコは2007年3月に行われたU-17南米選手権では、U-17ペルー代表を4位に導いた上に、自身は大会MVPに輝いた。当時は、同世代のコロンビア代表MFハメス・ロドリゲスよりも高い評価を受けるほどの逸材とみられていた。しかしマンコは、ハメスよりも優秀だったと言われた過去を思い出さないようにしているという。
「その当時のことは覚えていないし、考えたくもない。称賛されていた昔を思い出して何を得られるのか? 何もないし、考えたところで何も生み出さない。過去よりも、未来に向かって歩みを進めることのほうが大事だから」
8月23日には31歳の誕生日を迎えるマンコ。ハメスとの比較を記憶の彼方に追いやり、未来を見つめるマンコを、ペルー代表が再び招集する日は訪れるのか。
◆ レイモン・マンコ
- 本名:
- レイモン・オランヘル・マンコ・アルバラシン
- 生年月日:
- 1990年8月23日生まれ(30歳)
- 出身:
- ペルー(ルリン)
- 身長:
- 172cm
- ポジション:
- ミッドフィルダー
17歳だった2007に名門アリアンサ・リマでデビューすると、同年にはU-17ワールドカップにも出場して3ゴールをマークし、一躍脚光を浴びた。18歳の若さでオランダの名門PSVアイントホーフェンに移籍したが、1年半でペルーに戻った。その後は国内外で移籍を繰り返していて、やがてペルー代表にも招集されなくなっている。ウニオン・コメルシオで復調すると、2019年はレアル・ガルシラッソに加入したが、新監督との確執や起用法への不満などからわずか5ヶ月間で退団。同年7月にスポルト・ボーイスに加入してチームの1部残留に貢献した。2020年は前年王者のデポルティーボ・アリアンサ・ウニベルシダーに移籍してリベルタドーレスにも出場したが、COVID-19のパンデミックによる中断期間中に首脳陣と対立して退団。アリアンサ・ウニベルシダーへ移籍したが、チームを残留には導けなかった。元ペルー代表。