ペルー国内で沸き上がるマンコ待望論 「なぜマンコでなくシウーチョを招集したのか」

2018.03.05 ペルー代表
▲ 21歳で初めてペルー代表に招集されたロベルト・シウーチョ

3月3日、リカルド・ガレカ監督は同月下旬に予定されている国際親善試合に臨むペルー代表メンバー26人を発表。その中にレイモン・マンコの名前がなかったことに異を唱えるジャーナリストが、国内メディアに記事を寄稿した。そのタイトルは
【なぜガレカは、マンコでなくシウーチョを招集したのか】

ペルーのスポーツサイト「depor.com」に寄稿されたアルトゥーロ・レジェス氏のコラムには、レイモン・マンコが招集されず、21歳のロベルト・シウーチョが招集されたことへの疑問が綴られている。

「ガレカ監督が発表した最新のペルー代表メンバーについた暗黙の価値は、将来ワールドカップへの出場も約束されたものだろう。選ばれた26人は尊敬すべき選手ばかりだが、明日を築くには確たる基盤が必要。その哲学に基づくと、ロベルト・シウーチョの招集は果たして適切なのか」

「今のマンコは、再び代表に戻っても観る者を興奮させるだけのコンディションにある。ウニオン・コメルシオでレギュラーを得たことでマンコのパフォーマンスは安定し、その才能を発揮できることも証明した。マンコにはワールドカップへの明確な目標があるし、実際に彼の右足は“詩”であり続けている。攻撃の起点となるパスにアシスト、右ウイング、そして司令塔として機能するだけでなく、ゴールを決めるフリーキックの技術もある。21歳のシウーチョに同じだけの才能を見いだせるかと問えば、答えはすぐに出るだろう」

▲ 久しくペルー代表に招集されていない27歳のレイモン・マンコ (写真はUTC時代のもの)

「技術の裏付けはなく経験豊富でもないが、それでもガレカ監督に呼ばれたシウーチョにはスタミナがある。長く走れる点は彼の長所であり、武器になる。ガレカはそこを評価したのだろう」

「最後に、シウーチョが代表メンバーとしてロシアへ行く可能性はほとんどない。その理由には、厳しい競争があるからだ。アンドレ・カリージョやエディソン・フローレス、パオロ・ウルタード、アンディ・ポロといった不動の中盤に取って代わるだけの何かをアピールしなければならない。シウーチョがワールドカップに出られるまでには多くの試練が待っている」

レイモン・マンコもロベルト・シウーチョもペルーの国内リーグでプレイしていて、ポジションも似ているが、今季における両者の違いはひとつ。ゴールだ。得意の右足で直接フリーキックを決めている前者とは対照的に、後者はまだゴールを決めていない。寄稿したアルトゥーロ・レジェス氏は、大舞台で最後にものをいうのは経験値として「なぜマンコでなくシウーチョを招集したのか?」と、代表監督の人選に疑問を投げかけている。同氏が国際舞台で観たいのは、マンコだ。

◆ レイモン・マンコ

本名:
レイモン・オランヘル・マンコ・アルバラシン
生年月日:
1990年8月23日生まれ(27歳)
出身:
ペルー(ルリン)
身長:
172cm
ポジション:
ミッドフィルダー

17歳だった2007に名門アリアンサ・リマでデビューすると、同年にはU-17ワールドカップにも出場して3ゴールをマークし、一躍脚光を浴びた。18歳の若さでオランダの名門PSVアイントホーフェンに移籍したが、1年半でペルーに戻った。その後は国内外で移籍を繰り返していて、やがてペルー代表にも招集されなくなっている。現在はウニオン・コメルシオに所属し、トップ下としてスタメン出場している。