11月25〜27日に行われたカンピオナート・ブラジレイロ 2017 の第37節。サンパウロ州のカンピナスで行われた「ポンチ・プレッタ×ビットーリア」は、ビットーリアが逆転した直後に暴動が発生してそのままタイムアップを迎えた。
この試合の立ち上がりは、ポンチ・プレッタのペースだった。まずは6分にファーサイドからのクロスのこぼれ球をペナルティエリアの右側で拾ったルッカが右足でシュートを決めて先制すると、15分にはPKでリードを広げた。ポンチ・プレッタはなおも立て続けに決定機を演出。残留に望みをつなぐためには勝利しかないチームの、執念が前面に出ている戦いぶりだった。
ところが後半になると、同じく残留争いの渦中にあるビットーリアが猛然と巻き返していった。まずは57分にコーナーキックから1点を返すと、その1分後にはコロンビア人のサンティアゴ・トレージェスが右足を振り抜いたミドルシュートが、相手の足に当たってループシュートになり、キーパーを超えてゴールに吸い込まれた。
2-2 となって迎えた81分には、カウンターから最後はサンティアゴ・トレージェスがスライディングでゴールに流し込み、ビットーリアが逆転に成功。ポンチ・プレッタは残り7分少々で2点を奪わなければならない状況に追い込まれた。
すると逆転された直後、激怒したポンチ・プレッタのサポーターの一部がバックスタンドの柵を破壊してピッチに乱入。主審がすかさず一時中断を宣告すると、危害が及ぶのを恐れた両軍の選手らは一斉に避難し、警備にあたっていた警官隊が沈静化に尽力した。警官隊がゴム弾を発砲して乱入した輩を追い返すと、場内アナウンスに従うように多くの観客がスタジアムの外へと避難した。やがてスタンドは閑散とした状態になった。
異様な雰囲気はすぐに変わらず、選手らはロッカールームからの退出を禁じられ、軍警察のヘリコプターが上空からスタジアムとその周辺を監視する異常事態となった。主審は残り7分間の再開を検討したものの、状況を踏まえた結果「選手と観客の安全性を保証できない」ことを理由に試合終了を決断した。試合が75分以上進んでいたため、再試合は行われず 3-2 でビットーリアの勝利となった。
自滅した格好で逆転負けを喫したポンチ・プレッタは、最終節を待たずにセリエB降格が決定。一方、敵地で勝ち点3を得たビットーリアは降格圏を脱出し、残留に望みをつないでいる。
カンピオナート・ブラジレイロ 2017 第37節 (2017/11/26) | ||
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ポンチ・プレッタ | 2-3 | ビットーリア |
アラーニャ | GK | フェルナンド・ミゲウ |
ニノ・パライーバ ホドリーゴ ルアン・ペレス ジェフェルソン |
DF |
パトリッキ カヌ ワラシ・ヘイス ジェフェルソン |
ウェンデウ (ヘナット・カジャ) エウトン レオ・アルトゥール (マルロン) ダニーロ・バルセロス |
MF |
ハモン (カルロス・エドゥアルド) ウィリアン・コヘイア イアゴ |
ルッカ レオ・ガマーリョ (フェリッピ・サライーバ) |
FW |
ネイウトン (ダニリーニョ) サンティアゴ・トレージェス デイビッジ (アンドレ・リーマ) |
ルッカ 06 (PK) ダニーロ・バルセロス 15 |
ゴール |
57 アンドレ・リーマ 58 サンティアゴ・トレージェス 81 サンティアゴ・トレージェス |
ジェフェルソン ウェンデウ ダニーロ・バルセロス |
イエロー カード |
ジェフェルソン ワラシ・ヘイス イアゴ カヌ ウィリアン・コヘイア サンティアゴ・トレージェス |
ホドリーゴ | レッド カード |
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エドゥアルド・バチスタ | 監督 | バギネル・マンシーニ |
主審: ヒカルド・マルケス・ヒベイロ 会場: エスタジオ・モイゼス・ルカレッリ (カンピナス) |