マンコの葛藤 「アリアンサ・リマのファンだが、今週末はアトレティコ・グラウのために戦う」

2020.11.27 リーガ1 (ペルー1部リーグ) 2020

▲ WEB取材で現在の心境を述べるレイモン・マンコ

リーガ1(ペルー1部リーグ)は今週末に後期の最終節を迎える。優勝チームはここで決まらないが、前後期の勝ち点合算が確定するため、リーガ2(ペルー2部リーグ)に降格する3チームは日本時間で29日に決まる。今年の残留争いに頭を悩ませているのが、レイモン・マンコだ。

マンコが所属するアトレティコ・グラウは今年の昇格組で、ここまでの前後期通算勝ち点は25で19位にある。最終節で勝てば土壇場で残留する可能性もあり、チームは当然ながら全力で勝ち点3を獲りにいくわけだが、もしもアトレティコ・グラウの残留が叶った場合、名門アリアンサ・リマが降格してしまう。その一方、アリアンサ・リマが残留することになった場合は、アトレティコ・グラウの降格も決まってしまうのだ。幼い頃からアリアンサ・リマのサポーターであることを公言しているマンコにとっては、複雑な状況になっているのである。

現在は所属していないが、愛するアリアンサ・リマの残留を願うのか。それとも、今いるアトレティコ・グラウの残留のために全力で勝利を目指すのか。マンコは後者を選ぶと明言した。

「たしかに私は昔からアリアンサ・リマのファンであることを口にしてきたが、それでも今週はアトレティコ・グラウの残留を目指して全力で戦う。それは私の家族やチームメイト、サポーターのためだし、プロフェッショナリズムを優先するのは当然のことだ。自力で残留できるわけではない他力本願だが、私は勝って他会場の結果を見守りたい」

アリアンサ・リマとアトレティコ・グラウがともに残留する可能性は限りなくゼロに近い状況で、両チームの運命はどうなるか。

▼ リーガ1(ペルー1部リーグ) 2020 後期 第9節(残留が懸かっている試合)

チーム名 チーム名
スポルティン・クリスタル アカデミア・カントラオ
アトレティコ・グラウ アリアンサ・ウニベルシダー
カルロス・ステイン UTC
スポルト・ワンカーヨ アリアンサ・リマ

▼ リーガ1(ペルー1部リーグ) 2020 総合順位表(16位以下)

順位 勝ち点 クラブチーム 勝利数 得失点差
16 28 アカデミア・カントラオ 7 -15
17 26 アリアンサ・リマ 6 -6
18 26 カルロス・ステイン 7 -14 リーガ2(2部)降格
19 25 アトレティコ・グラウ 5 -13 リーガ2(2部)降格
20 20 デポルティーボ・ヤクアバンバ 5 -21 リーガ2(2部)降格

◆ レイモン・マンコ

本名:
レイモン・オランヘル・マンコ・アルバラシン
生年月日:
1990年8月23日生まれ(30歳)
出身:
ペルー(ルリン)
身長:
172cm
ポジション:
ミッドフィルダー

17歳だった2007に名門アリアンサ・リマでデビューすると、同年にはU-17ワールドカップにも出場して3ゴールをマークし、一躍脚光を浴びた。18歳の若さでオランダの名門PSVアイントホーフェンに移籍したが、1年半でペルーに戻った。その後は国内外で移籍を繰り返していて、やがてペルー代表にも招集されなくなっている。ウニオン・コメルシオで復調すると、2019年はレアル・ガルシラッソに加入したが、新監督との確執や起用法への不満などからわずか5ヶ月間で退団。同年7月にスポルト・ボーイスに加入してチームの1部残留に貢献した。2020年は前年王者のデポルティーボ・アトレティコ・グラウに移籍してリベルタドーレスにも出場したが、COVID-19のパンデミックによる中断期間中に首脳陣と対立して退団。アトレティコ・グラウへ活躍の場を移している。元ペルー代表。