公共省が人種差別発言の加害者4人の実名を公表 懲役1〜3年の厳罰も

2014.10.28 コパ・ド・ブラジウ 2014
▲ 人種差別発言の模様がテレビ画面に映っていたことで、住まいを追われて職を失ったパトリシア・モレイラ

ブラジル南部リオ・グランジ・ド・スウ州の公共省は28日、8月下旬に発生した人種差別発言の加害者4人の実名を公表して、公式に断罪した。

事の発端は8月28日にアレーナ・ド・グレミオで行われたコパ・ド・ブラジウの決勝トーナメント1回戦 1st.Leg 。サントスの2点リードで迎えた87分に、グレミオのサポーターが陣取るゴール裏のスタンドからサントスのGKアラーニャに向かって「猿」を意味するポルトガル語が連呼された

この問題は国内外に様々な波紋を呼んだ。ブラジルの STJD (スポーツ司法上級裁判所)で審議されたほか、官公庁も動き出す事態に発展。そしてこれに対する世間のバッシングは強烈で、一部加害者の旧住居が放火や投石の被害に遭うなどの二次犯罪まで誘発した。

公共省は現時点で特定できている“犯人”4名を発表。すでに報道などで挙がったパトリシア・モレイラ(写真)を初め、エデル・ブラーガ、ホドリーゴ・ヒチェル、フェルナンド・アスカウの名前を公表した。そのうち起訴されているのはパトリシア・モレイラのみで、残りの3人はまだ起訴されていないそうだ。

この件について有罪判決が出た場合、犯人には1〜3年の懲役と罰金を科す法律が存在している。住まいを追われて住所不定・無職になっているパトリシア・モレイラを初め、加害者には重罰が科されるものと報じられている。

被害者のアラーニャは「法に則り厳正な判決が出ることを願っている」と述べるに留めた。