人種差別騒動の二次犯罪発生 加害者のInstagramアカウントが炎上

2014.09.01 コパ・ド・ブラジウ 2014
▲ 「macaco(マカーコ)」を連呼していたとされる女性グレミスタの Instagram の画面。炎上したのち、彼女は自身のアカウントを削除する事態に追い込まれた

先週ブラジルで発生した人種差別発言が、二次犯罪を誘発している。当日スタンドから「macaco(ポルトガル語で“猿”)」を連呼していたとされる女性グレミスタをターゲットにした誹謗中傷がインターネット上で勃発。該当の女性は、Instagram のアカウントを削除せざるをえない事態に追い込まれた。

該当の女性がインターネット上でバッシングされる契機となったのは、先週の試合中にスタンドの最前列から“猿”を意味するポルトガル語「macaco(マカーコ)」を連呼。そのとき叫んでいる様子を ESPN のテレビカメラが鮮明に映していたことから、彼女が犯人の筆頭格に仕立て上げられてしまった。(実際に人種差別発言をしていたのは数十人のグレミスタに及ぶため、彼女一人が犯人ではない)

事件後、人種差別発言はブラジル国内で騒動に発展。ESPNのテレビカメラに映っていた女性グレミスタに対してはネット上で誹謗中傷が繰り広げられた。該当の女性は炎上したことを受けて Instagram のアカウントを削除したが、彼女の住所などがネット上に拡散し、自宅への投石なども発生。彼女は勤務先を退職する羽目になった。

地元警察の捜査によれば、該当の女性宅を訪問したものの不在だったとのこと。身の危険を感じている彼女は、実家へ戻っている上に専属の弁護士をつけて事後に備えているという。担当弁護士は一連の事象について「人種差別は許されることでないが、ネット上での誹謗中傷や住居への投石は明らかな犯罪。法的措置を講じるしかない」と述べている。

テレビの映像を契機にターゲットとなった女性グレミスタは、再び平穏な日々を過ごせるようになるのだろうか。