スタンドからの侮辱に怒り心頭のマンコ 「奴らが続けるなら、近日中にも退団することになる」

2022.07.29 リーガ2 (ペルー2部リーグ) 2022

▲ ファン・アウリッチに加入してまもないマンコだが、低調なパフォーマンスはインチャの罵声を誘発する一因にもなっているとか

7月23日に行われたリーガ2(ペルー2部リーグ)の後期第4節で、元ペルー代表MFレイモン・マンコ擁するファン・アウリッチは、サントス・デ・ナスカに 0-1 で敗れた。サントス・デ・ナスカはマンコの古巣であり、マンコは古巣に恩返しもできなかった。

この試合でマンコはスタメンで出場したが、精彩を欠いた内容で攻守において存在感を示せず、58分にはラウール・アコスタとの交代でベンチに下がった。

リーガ2は前後期ともに優勝したチームのみがリーガ1(ペルー1部リーグ)昇格の権利を得られるが、前期で10位に甘んじたファン・アウリッチは、後半も約3分の1を消化して13チーム中12位と低迷。そうした情勢から、ファン・アウリッチのインチャ(サポーター)の中には、ふがいないチームに対して憤りを覚える者も少なくない。

そんな前述のサントス・デ・ナスカ戦を終えて、マンコがキレた。

マンコが激怒した理由は心ないインチャからの野次で、侮辱する言葉も多く聞かれたという。

「侮辱は看過できない。それがすべてだ。選手を罵倒するしかできない奴らは、スタジアムに来ないで家でテレビ観戦でもしていればいい。ファン・アウリッチがこの先強豪になりたいのならば、まずは忠実に応援してくれるインチャを増やすところから始めなければ。勝たなければ罵倒してくるような者に、インチャを名乗る資格はない」

不快感をあらわにしたマンコの怒りは、まだまだ収まらない。

「侮辱をやめようとしないし、罵詈雑言ばかりだと応援する気がないとしか言いようがない。私が言いたいのは、ファンであるならばたとえチームが負けてもサポートする気持ちが大切であるはずだということ。その点で奴らは我々選手を傷つけているだけなんだよ。侮辱、侮辱、侮辱…。仮に奴らが今後もこのような侮辱を続けるようなら、私は近日中にも退団することになる」

罵倒が収まらないなら、ファン・アウリッチのためにプレイはできないと明言したマンコ。言わば、自分の去就をちらつかせてインチャを教育しようとしているわけだ。

かつてはリーガ1に属していたファン・アウリッチは、今年がちょうど創立100周年の節目。加入してまもないマンコはチームの1部昇格のために尽力したい考えだが、インチャの態度が変わらないようなら契約解除もありうるかもしれない。

◆ レイモン・マンコ

本名:
レイモン・オランヘル・マンコ・アルバラシン
生年月日:
1990年8月23日生まれ(31歳)
出身:
ペルー(ルリン)
身長:
172cm
ポジション:
ミッドフィルダー

17歳だった2007に名門アリアンサ・リマでデビューすると、同年にはU-17ワールドカップにも出場して3ゴールをマークし、一躍脚光を浴びた。18歳の若さでオランダの名門PSVアイントホーフェンに移籍したが、1年半でペルーに戻った。その後は国内外で移籍を繰り返していて、やがてペルー代表にも招集されなくなっている。ウニオン・コメルシオで復調すると、2019年はレアル・ガルシラッソに加入したが、新監督との確執や起用法への不満などからわずか5ヶ月間で退団。同年7月にスポルト・ボーイスに加入してチームの1部残留に貢献した。2020年は前年王者のデポルティーボ・アリアンサ・ウニベルシダーに移籍してリベルタドーレスにも出場したが、COVID-19のパンデミックによる中断期間中に首脳陣と対立して退団。アトレティコ・グラウへ移籍したが、チームを残留には導けなかった。2021年にはアリアンサ・ウニベルシダーに加入したが、こちらでもチームを残留には導けず。2022年はキャリア初の2部リーグに舞台を移したが、半年足らずでサントス・デ・ナスカを退団。同年7月にファン・アウリッチに加入した。元ペルー代表。