2026年のワールドカップ出場を懸けた南米予選で低迷しているペルー代表の現状を受けて、マンコが声を上げた。マンコが募らせている思いの丈は、ファン・レイノーソ監督に向けられた。
ペルー代表は現在の南米予選で6試合を終えて2分4敗と、勝てておらず最下位に低迷。だが元ペルー代表MFレイモン・マンコが声を上げたのは、第6節のベネズエラ戦(1-1の引き分け)の前日だった。第6節を迎える前に、マンコは代表のレイノーソ監督を見限っていた。
自身のYouTubeチャンネル「Cojo y Manco(コホ・イ・マンコ)」に出演したマンコは、過去のキャリアで接してきた同監督の人柄を知るだけに、現在の代表の状況は予見できていたと主張した。
「なぜみんなが(今の代表の結果に)驚いているのか理解できない。ファン・レイノーソが代表監督に就任すると確認された時点で、私には嫌な予感があった。彼(レイノーソ監督)が自分の考え方、仕事のやり方を変えなければ、今後もこのままだろう」
「彼は自分の信念を貫くタイプであり、他人の信念や真実など汲み取らないし、何が起こっても彼は今のやり方を変えないだろう。それが彼の個性だ。今、ペルー代表は好成績を収めていない。彼の戦術や理念が代表では通用しないことなど、ここまでの結果を見れば明らかだ」
思うところの多いマンコは、前任のリカルド・ガレカ前監督が長年に渡って築き上げてきたものをレイノーソ監督が壊したと主張し、現監督を非難した。
「レイノーソ体制が続くか否かに関わらず、サポーターとコーチ、選手の関係は壊れていると認識している。レイノーソは(リカルド・ガレカ前監督が)長年に渡って築き上げてきたものすべてを破壊した。そうして壊されたものは、簡単には修復しない」
「レイノーソにはチャンスがあったのに、生かさなかった。彼にとっては悪い結果だが、それがこの先良い方にシフトすることを願うだけ」
あくまで母国と代表チームを愛するがゆえに苦言があふれ出たマンコのお口。マンコのお口から溢れ出た苦言は世論にも投影されてレイノーソ解任論が出てきているが、当の本人は代表監督を辞任する意思はない模様。代理人曰く、早期解任の際に生じる違約金が障害になっているとのことで、レイノーソ体制はしばらく続くのではとの見方が有力になってきているようだ。同監督の個性を指摘したマンコの言葉には、信憑性がある。
◆ レイモン・マンコ
- 本名:
- レイモン・オランヘル・マンコ・アルバラシン
- 生年月日:
- 1990年8月23日生まれ(33歳)
- 出身:
- ペルー(ルリン)
- 身長:
- 172cm
- ポジション:
- ミッドフィルダー
17歳だった2007に名門アリアンサ・リマでデビューすると、同年にはU-17ワールドカップにも出場して3ゴールをマークし、一躍脚光を浴びた。18歳の若さでオランダの名門PSVアイントホーフェンに移籍したが、1年半でペルーに戻った。その後は国内外で移籍を繰り返していて、やがてペルー代表にも招集されなくなっている。ウニオン・コメルシオで復調すると、2019年はレアル・ガルシラッソに加入したが、新監督との確執や起用法への不満などからわずか5ヶ月間で退団。同年7月にスポルト・ボーイスに加入してチームの1部残留に貢献した。2020年は前年王者のデポルティーボ・アリアンサ・ウニベルシダーに移籍してリベルタドーレスにも出場したが、COVID-19のパンデミックによる中断期間中に首脳陣と対立して退団。アトレティコ・グラウへ移籍したが、チームを残留には導けなかった。2021年にはアリアンサ・ウニベルシダーに加入したが、こちらでもチームを残留には導けず。2022年はキャリア初の2部リーグに舞台を移したが、半年足らずでサントス・デ・ナスカを退団。同年7月にファン・アウリッチに加入して、チームの残留には貢献した。2023年は7人制サッカーに活躍の場を移し、ペルーとアメリカの2クラブに所属する形をとっている。元ペルー代表。