人種差別発言者の住んでいた住居が放火の被害に 容疑者は即日中に逮捕

2014.09.12 コパ・ド・ブラジウ 2014
▲ 「マカーコ」を連呼した女性グレミスタのパトリシア・モレイラさんがかつて住んでいたとされる賃貸物件。12日の早朝に放火の被害に遭ったとされ、室内は黒く焦げ付いている

先月末に発生した人種差別騒動の余波は現在も収まっていない。猿を意味するポルトガル語「macaco(マカーコ)」を連呼した女性グレミスタがかつて暮らしていたとされる住居が、12日の早朝に燃やされたことがわかった。地元警察の発表によれば人為的な放火とのことで、容疑者は即日中に緊急逮捕されたようだ。

放火の被害に遭ったのは、「マカーコ」を連呼した女性グレミスタのパトリシア・モレイラさんがかつて住んでいたとされる賃貸物件。世間の執拗なバッシングを浴びてパトリシアさんは住まいを変えていて、放火のあった物件には誰も住んでいなかった。

リオ・グランジ・ド・スウ州の連邦警察はすぐに捜査を開始して、即日中に容疑者の身柄を確保。逮捕されたのは電気技師のエウトン・グライー容疑者で、過去にも銃刀法違反や強盗、麻薬取引など複数の罪で起訴されている前科持ちのようだ。5月22日に娑婆へ解放されてから4ヵ月足らずで再び刑務所へ戻ることになりそうな同容疑者は、警察の調べに対し「酔った勢いで放火した」と述べているという。

パトリシアさんの弁護士アレシャンドレ・ホザート氏は「彼女は騒動の直後に自身の行為を謝罪している。彼女に対する非難や攻撃も、行き過ぎれば“犯罪”となることを認識してもらいたい。今回の放火は行き過ぎた犯罪だ」と警鐘を鳴らしている。

同弁護士によれば、パトリシアさんは現在ポルト・アレグレに住んでおらず、両親などとともに別の街に移り住んでいる。防犯上の理由から、現在の彼女の所在は明らかにされていない。