「太ってもまだやれる」 肉付きの良くなったマンコが “太りすぎ批判” を華麗にスルー

2016.08.03 ペルー1部リーグ 2016
▲ 元ペルー代表MFレイモン・マンコの今と昔。 数年前(左)と比較すると5キロ以上は太った?(右)

「マンコは太りすぎ」
こうした世間の声を、当のマンコはさして気にしていない様子だ。

今月で26歳になる元ペルー代表MFレイモン・マンコが現在プレイしている首都リマの名門アリアンサ・リマのサポーターの間では、先月あたりからマンコの体型について言及する者が増えてきた。かつてのマンコを知るサポーターは、一様に同選手の体重増加に言及しているという。

オランダのPSVアイントホーフェンにいた頃や、ペルー代表にも招集されていた当時と比較すると、現在のマンコは全体的に肉付きが良くなった模様。マンコのより良いパフォーマンスを楽しみにしているサポーターからは「太りすぎだ」「マンコはもっと引き締まっているほうがいい」といった声が挙がっている。

このような世間の批判に対して、マンコは至って冷静。自身のコンディションが最高の状態にはないことを認めつつも、「別に驚くほどの変化じゃない。たしかに体重は増えたけど、選手として動きのキレは鈍ってないし、俺がまだやれるということを証明するよ」と、一連の批判を一蹴した。

3度目の結婚と、現在の妻との間に生まれた子どもと幸せな家庭を築いているマンコの太り方は、美味しい家庭料理による“幸せ太り”なのか…。昔よりはるかに肉付きの良くなったマンコの、さらなる活躍とペルー代表復帰に期待したい。

優勝したチームのインチャが試合後に暴徒化 ピッチになだれ込み相手選手と大乱闘

2016.07.26 アルゼンチン 地域リーグ 2016
▲ 地域リーグ「リーガ・デル・スル」の決勝戦終了後に暴徒化したベラ・ビスタ・ブランカのインチャ(サポーター)

2016年7月26日、アルゼンチン国内で開催された地域リーグの決勝戦後に優勝したチームのインチャ(サポーター)が暴徒化する事件が発生した。

事件が起こったのは、ブエノスアイレス州南部のバイア・ブランカで行われた地域リーグ「リーガ・デル・スル」の決勝「ベラ・ビスタ・ブランカ vs ティロ・フェデラル」。試合は、ベラ・ビスタ・ブランカが 3-2 でティロ・フェデラルに競り勝って優勝した。するとタイムアップの笛が鳴った直後にスタンドから観客がなだれ込み、優勝したベラ・ビスタ・ブランカのイレブンの元へ駆け寄って抱擁した。ピッチになだれ込んだのは、ベラ・ビスタ・ブランカのインチャだった。

問題は、この直後になだれ込んだ者たちがとった行動。一部の観客が相手チームの選手に食ってかかると、その場で張り倒されて殴る蹴るの暴行を受けた。それを目の当たりにした別の観客が暴徒化した結果、ピッチのあちこちで殴り合い、蹴り合いの応酬に発展した。

準優勝に終わったティロ・フェデラルの選手たちは、ロッカールームでなくピッチ脇の金網を破ってスタンドへと避難する事態に。この件について続報は上がっていないが、地域リーグの主催団体は優勝チームに何らかの制裁を科すものとみられている。

タイトルを賭けた一戦で負けたチームの観客が暴徒化するのなら理由は”腹いせ”と捉えることも可能だが、優勝したチームのサポーターが暴徒化した因果関係については、今のところ報じられていない。

マンコの元妻が衝撃的な不貞行為を暴露 婚姻関係中にパオロ・ゲレーロとの不倫を示唆

2016.06.02 ペルー1部リーグ 2016
▲ マンコの妻だった頃に不倫を示唆する発言をしたモデルのフィオレーラ・アルサモーラさん

フジモリ元大統領の娘ケイコ氏が大統領選挙に立候補しているペルーで活躍中の29歳モデルが、婚姻関係中に不倫していた過去を口にした。当時の夫は元ペルー代表MFレイモン・マンコで、当時の不倫相手はペルー代表FWパオロ・ゲレーロだったという。

ペルーのテレビ番組に出演した際に不倫を示唆する発言をしたのは、モデルのフィオレーラ・アルサモーラさん。元ペルー代表MFレイモン・マンコより4歳年上の姉さん女房で、マンコとは2013年に結婚したがその後離婚していてフィオレーラさんは現在独身である。

レイモン・マンコは18歳のときにモデルのフィオレーラ・ベントさんと結婚したものの、すぐに離婚。その後、前述のフィオレーラ・アルサモーラさんと家族になったが、彼女とも離婚したのち2015年に3度目の結婚をして同年10月には息子にも恵まれた。

マンコの配偶者だった2014年には「マンコは無責任」と夫を批判したフィオレーラさんだが、マンコが息子を授かった際には「私は意地悪じゃないからね。彼が父親になったことを素直に祝福しているわ」と祝辞を述べていた。

▲ レイモン・マンコが最初に結婚した、モデルのフィオレーラ・ベントさん

そんなフィオレーラさんが“時効”と前置きした上でカミングアウトしたのが、現在ブラジルのフラメンゴで活躍中のペルー代表FWパオロ・ゲレーロとの交際。同選手との交際期間はマンコの妻だった頃と重複していることを醸したため、ペルー国内でスキャンダルとして報じられるに至った。

ちなみにマンコの元妻の不倫相手とされているパオロ・ゲレーロには性的なスキャンダルが絶えず、2016年4月には交際しているモデルのアロンドラ・ガルシアさんに「彼(ゲレーロ)とは200回以上セックスしたけれど、妊娠はしていないわよ」と暴露されるなど、浮ついた話題には事欠かない。

レイモン・マンコは現在、ペルーの首都リマをホームタウンとする名門アリアンサ・リマで活躍中で、一部ではペルー代表への復帰論も出ている。

リオのクラシコで観客が暴徒化 軍警察が催涙スプレーを噴射して沈静化させる事態に

2016.02.14 カンピオナート・カリオカ 2016
▲ 前半の終了間際にスタンドではバスカイーノと軍警察がにらみ合う暴動が発生し、警察官が催涙スプレーを噴射するなど混沌とした

2月13〜14日に行われた2016年のカンピオナート・カリオカ第4節。州都リオ・デ・ジャネイロで行われたクラシコ「バスコ・ダ・ガマ×フラメンゴ」は、前半の終了間際にスタンドで暴動が発生して軍警察によって沈静化される事態となった。

0-0 で迎えた前半42分に、フラメンゴはカウンターで中央を上がったエメルソンがペナルティアークの手前で右足を振り抜いたが、弾道の速いシュートはクロスバーをかすめてゴールには至らず。するとそのときスタンドではバスカイーノ(バスコのサポーター)の一部が暴徒化して軍警察とにらみ合い始めた。すると軍警察に押し寄せる群衆を分散させるべく、一部の警察官が催涙スプレーを使用した。

▲ 試合終了直前に値千金のゴールを決めたハファエウ・バスと歓喜の抱擁を交わすジョルジーニョ監督

催涙スプレーを直接浴びた数人のバスカイーノは熱さや痛みを訴えて病院に搬送。その他、最高気温34度のこの日は、スタンドで観戦していた一部の観客が熱中症を訴えてスタジアム内の医療センターに搬送された。

なお試合は、0-0 で迎えた90分にセットプレイを得たバスコがゴールを奪って勝利。フリーキックのこぼれ球に反応したハファエウ・バスが、豪快に左足を振り抜いての鋭いゴールであった。

カンピオナート・カリオカ 2016 第4節 (2016/02/14)
バスコ・ダ・ガマ 1-0 フラメンゴ
マルティン・シルバ GK パウロ・ビクトル
マジソン
ホドリーゴ
ジョマール
(ハファエウ・バス)
ジュリオ・セーザル
DF ホジネイ
ワラシ
ファン
ジョルジ
マルセーロ・マットス
フリオ・ドス・サントス
アンドレジーニョ
ネネ
MF マルシオ・アラウージョ
ウィリアン・アロン
フェデリコ・マンクエージョ
ジョルジ・エンリーキ
(エデル・ルイス)
ドゥビエル・リアスコス
(タリス)
FW マルセーロ・シリーノ
(エベルトン)
パオロ・ゲレーロ
エメルソン
ハファエウ・バス 90 ゴール
ホドリーゴ
マルセーロ・マットス
フリオ・ドス・サントス
ハファエウ・バス
イエロー
カード
ワラシ
パオロ・ゲレーロ
ジョルジーニョ 監督 ムリシ・ハマーリョ
主審: レオナルド・ガルシア・カバレイロ
会場: エスタジオ・サン・ジャヌアーリオ (リオ・デ・ジャネイロ)

魅惑のベネズエラ人モデルは48歳。 アナ・カリーナ・マンコさんはSNSでの完璧偽装を否定

2015.07.24 ベネズエラの芸能界

▲ リゾート地でビキニ姿の写真撮影に興じるアナ・カリーナ・マンコさん (写真は2015年のもの)

ベネズエラ人女優のアナ・カリーナ・マンコさんは、SNSで自分の近況を投稿・紹介することで、見る側が「完璧な人」と捉えてしまうことについて意見を述べた。

自分の写っている写真や、余暇の過ごし方をSNSに投稿(アップロード)して自慢する行為は、世界中で多くの人がやっている。マンコさんもその一人だ。現在マイアミで家族と暮らしている彼女は、自分の投稿を見たユーザーに「完璧な人」だと思わないでほしいと求めた。

「私の旅行は仕事のためだけではないし、私の人生のためでもありません。私が息子の学校にお邪魔したり、家族での余暇などをSNSにアップすると、たいていの人は私が公私ともに充実した完璧な生活を送っていると思うようです。でも、実際は違います。SNSに上げる写真や文章は通常最も良いものを選びます。それは、みっともない内容を上げるよりは少しでも美しい、楽しいものを公開したほうが、見る方に喜んでもらえるだろうと考えるからです。私は決して完璧ではありませんし、ただ撮った写真を良く見えるようにフィルターをかけて楽しんでいるだけです。最近はビーチへ行くのが好きですが、ロッキー山脈はとても壮観で素晴らしかったですよ」

御年48にして年齢不相応なスタイルをキープしているマンコさんは、引き締まったボディを惜しげもなく披露。ビキニ姿で笑顔を振りまく写真や、ジムで鍛える様子などを自身の Instagram に投稿している。自慢ではなく、見る人に少しでも楽しんでもらいたいサービス精神の産物であるという。

◆ アナ・カリーナ・マンコ

本名:
アナ・カリーナ・マンコ・グスマン
生年月日:
1967年12月17日生まれ(53歳)
出身:
ベネズエラ(首都カラカス)
最終学歴:
サンタマリア大学、ベネズエラ中央大学
配偶者:
ビセンテ・イグナシオ・ペレス
子ども:
ディミトリ・ニコラス・ペレス・マンコ(息子)
アレクサ・カテリーナ・ペレス・マンコ(娘)
職業:
女優、モデル、声優、弁護士
twitter:
@akmanco
Instagram:
anakarinamanco
公式サイト:
anakarinamanco.com

4人兄弟の末っ子で、母は1960年代にラジオ番組のパーソナリティとして活躍したノルマ・テレーサ・マンコ・グスマンさん。13歳で舞台役者となったが、一旦芸能界から離れて17歳に復帰すると、複数の映画やドラマなどで主役や脇役を熱演した。1995年には当時の恋人ルイス・フェルナンド・キンテーロさんを旅客機墜落事故により失う不幸に遭遇したことで、1年間の休養を余儀なくされた。2002年5月25日に31歳でビセンテ・イグナシオ・ペレスさんと結婚して、二人の子どもに恵まれた。現在は米国のマイアミで家族と暮らしている。

ダヌービオの会長が選手の人種差別発言を認める 「エリーアスに対して“マカーコ”と言った」

2015.04.05 リベルタドーレス 2015
▲ 前半24分、クリスティアン・ゴンサーレス(17番)に対して激昂するブラジル代表MFエリーアス(中央)。前者が口にした人種差別発言に対して激しく抗議したエリーアスは、この直後に主審へ事実報告を行った

ウルグアイの名門ダヌービオのオスカル・クルーチェ会長は5日、先の試合中に所属選手が相手選手に対して人種差別発言に及んだことを認めるコメントを発表した。

騒動の発端となったのは、4月1日に行われたコパ・リベルタドーレスのグループリーグ「コリンチャンス vs ダヌービオ」の前半24分頃。ダヌービオのゴール前でコリンチャンスがフリーキックを得た際に、DFクリスティアン・ゴンサーレス(ダヌービオ)がブラジル代表MFエリーアス(コリンチャンス)と言い合いになった。そのとき、クリスティアン・ゴンサーレスはエリーアスを睨みつけながら何かをつぶやいた。

これを受けて激昂したエリーアスは、執拗にクリスティアン・ゴンサーレスに詰め寄り鬼気迫る剣幕で激しく抗議を始めた。第三者が仲裁に入ってもエリーアスの怒りは収まらず、何度か詰め寄ったのちにエリーアスは主審に近づいて事の全容を報告した。一連の出来事で試合は3分ほど停滞した。

試合後にエリーアスがメディアを通して、人種差別発言を受けた旨を公表。ほどなくしてメディアが流した試合映像には、クリスティアン・ゴンサーレスがエリーアスに向かって「 macaco(マカーコ)」と言っているであろう口の動きがハッキリと映っていた。
macaco はブラジル・ポルトガル語で「猿」を意味する単語だ。アルゼンチンの公用語であるスペイン語で「猿」は「mono(モノ)」と表現するため、加害者が意図的にポルトガル語で攻撃したとも推察できる。

▲ クリスティアン・ゴンサーレス(右)がブラジル代表MFエリーアス(左)に対して「 macaco(マカーコ)」と発言したとされるリプレイ映像

この件についてダヌービオのクルーチェ会長は5日、コメントを発表。「会長として所属選手のことは守ってやりたいが、今回は看過できない。彼はエリーアスに向かって“macaco”と言っただろう」と述べて、クリスティアン・ゴンサーレスが発した人種差別発言について認めた。

同会長はクリスティアン・ゴンサーレスについて「私が彼の言動を正当化することはない。あるまじき発言に対しては罰金を科すことで責任をとらせるつもりだ」と言及。ペナルティを科す意向を明らかにした。

今回被害者になってしまったエリーアスは、クリスティアン・ゴンサーレスが18歳とまだ若いことに触れて次のような見解を発表している。
「言われた瞬間は頭に血が上ったが、彼はまだ若すぎるからね。今後、精神面が成熟することで自分の犯した言動の愚かさを自発的に気づいてもらえればと願っている」

この件についてエリーアスとコリンチャンスは警察に被害届を出さないとしているが、CONMEBOL (南米サッカー連盟)は調査を始める意向を示している。

ポルトガル語の「macaco」発言による人種差別は、昨年8月にブラジル国内でも似たような事件が発生している。南米大陸における人種差別問題の根は深そうだ。

デポルテス・トリーマのサポーターが暴徒化 投石被害で選手が8針縫う大怪我を被る

2015.02.13 リーガ・ポストボン (コロンビア1部リーグ) 2015
▲ 暴徒の襲撃により左眉を8針縫う大怪我を被ったDFブラディミール・マリン

2月12日にコロンビア国内で行われた試合後に、選手が裂傷を負う事件が発生した。被害者となったDFブラディミール・マリンは左眉を8針縫う羽目になった。

事件が発生したのはコロンビア中部の都市イバゲー。「デポルテス・トリーマ vs インデペンディエンテ・メデジン」の試合後、逆転負けに憤慨したデポルテス・トリーマのサポーターの一部が暴徒化して、相手チームの選手らが乗るマイクロバスを襲撃した。暴徒はマイクロバス目がけて木の棒や石を投げつけ、その一部がバスのガラス窓を突き破って乗車していた選手に被害をもたらした。

不幸にも負傷したのは、先の試合で逆転の決勝点を決めたDFブラディミール・マリン。長辺が10cmを超える大きさの石が命中して左眉から激しく出血し、すぐに病院へ運ばれて縫合処置がなされた。その後の報道によれば、8針を縫う怪我であったという。

インデペンディエンテのチームドクターであるエドガル・メンデス氏は、同選手が次の試合に出場できるかについて「抜糸までは難しいかもしれない」と述べている。

この事態を受けて FCF(コロンビアサッカー連盟)は、デポルテス・トリーマに何らかの処分を下すものとみられている。

公共省が人種差別発言の加害者4人の実名を公表 懲役1〜3年の厳罰も

2014.10.28 コパ・ド・ブラジウ 2014
▲ 人種差別発言の模様がテレビ画面に映っていたことで、住まいを追われて職を失ったパトリシア・モレイラ

ブラジル南部リオ・グランジ・ド・スウ州の公共省は28日、8月下旬に発生した人種差別発言の加害者4人の実名を公表して、公式に断罪した。

事の発端は8月28日にアレーナ・ド・グレミオで行われたコパ・ド・ブラジウの決勝トーナメント1回戦 1st.Leg 。サントスの2点リードで迎えた87分に、グレミオのサポーターが陣取るゴール裏のスタンドからサントスのGKアラーニャに向かって「猿」を意味するポルトガル語が連呼された

この問題は国内外に様々な波紋を呼んだ。ブラジルの STJD (スポーツ司法上級裁判所)で審議されたほか、官公庁も動き出す事態に発展。そしてこれに対する世間のバッシングは強烈で、一部加害者の旧住居が放火や投石の被害に遭うなどの二次犯罪まで誘発した。

公共省は現時点で特定できている“犯人”4名を発表。すでに報道などで挙がったパトリシア・モレイラ(写真)を初め、エデル・ブラーガ、ホドリーゴ・ヒチェル、フェルナンド・アスカウの名前を公表した。そのうち起訴されているのはパトリシア・モレイラのみで、残りの3人はまだ起訴されていないそうだ。

この件について有罪判決が出た場合、犯人には1〜3年の懲役と罰金を科す法律が存在している。住まいを追われて住所不定・無職になっているパトリシア・モレイラを初め、加害者には重罰が科されるものと報じられている。

被害者のアラーニャは「法に則り厳正な判決が出ることを願っている」と述べるに留めた。

抱えた犬に腕を嚙まれた選手がゴール 試合後に「幸運の咬傷」と乙な表現

2014.10.26 コパ・スウ・フロンテイラ 2014
▲ ピッチに乱入した犬を抱きかかえてピッチサイドへと駆け出すサンパウロ・ガウーショのドゥドゥ

26日にブラジルで行われたカップ戦において微笑ましい出来事があった。試合中に抱えた犬に腕を噛まれた選手がその後にゴールを決めて、自身を噛んだ犬のことをさも“幸運の主”であるかのように表現した。

舞台は、ブラジル南部リオ・グランジ・ド・スウ州リオ・グランジのエスタジオ・アウド・ダプッゾ。コパ・スウ・フロンテイラの第14ラウンド「サンパウロ・ガウーショ vs ファホウピーリャ」の後半に起こった。

一匹の犬が突然ピッチに乱入し、主審の足元で止まるとキョロキョロと周囲を眺めていた。すると、サンパウロ・ガウーショの11番MFドゥドゥが走って犬に近づいて、背後からおもむろに犬を抱え上げてピッチサイドに駆け出した。このときサンパウロ・ガウーショは 1-2 で負けていたため、余計なことで試合が中断することをドゥドゥは避けたかったのだという。

抱えられた犬もじっとはしていなかった。自身を抱えるドゥドゥの右腕でバタバタすると、ドゥドゥの左腕に噛みついて抵抗。しかしドゥドゥは噛まれても犬を振り落とさずに、噛んだ犬の頭を平手打ちで注意しながらピッチサイドへ走っていった。ドゥドゥはピッチの外で犬をそっと降ろして、すぐにピッチへと戻っていった。犬はその後スタッフらによって保護された。

犬に腕を噛まれたドゥドゥはその後、70分に前線でパスを受けてペナルティエリアに入ると、左足でボールをすくい上げてファーサイドのゴールネットを揺らすループシュートを決めた。ドゥドゥのゴールによって逆転したサンパウロ・ガウーショが 3-2 でファホウピーリャを破り、準決勝進出を果たした。

試合後、ドゥドゥは試合中に犬に腕を噛まれた件について twitter でコメント。噛んだ犬を恨むことなく「幸運の咬傷」と表現した。犬に噛まれたことが自分にゴールをもたらしてくれたという乙な見解を示した。

コパ・スウ・フロンテイラ 2014 第14ラウンド (2014/10/26)
サンパウロ・ガウーショ 3-0 ファホウピーリャ
ギリェルミ 24
レオ 67
ドゥドゥ 70
ゴール 31 ブルーノ・ハチーニョ
50 リーマ
トキーニョ 監督 ジェベルトン・ドゥアルチ
主審: フランシスコ・ソアーレス・ジーアス
会場: エスタジオ・アウド・ダプッゾ (リオ・グランジ)

人種差別発言者の住んでいた住居が放火の被害に 容疑者は即日中に逮捕

2014.09.12 コパ・ド・ブラジウ 2014
▲ 「マカーコ」を連呼した女性グレミスタのパトリシア・モレイラさんがかつて住んでいたとされる賃貸物件。12日の早朝に放火の被害に遭ったとされ、室内は黒く焦げ付いている

先月末に発生した人種差別騒動の余波は現在も収まっていない。猿を意味するポルトガル語「macaco(マカーコ)」を連呼した女性グレミスタがかつて暮らしていたとされる住居が、12日の早朝に燃やされたことがわかった。地元警察の発表によれば人為的な放火とのことで、容疑者は即日中に緊急逮捕されたようだ。

放火の被害に遭ったのは、「マカーコ」を連呼した女性グレミスタのパトリシア・モレイラさんがかつて住んでいたとされる賃貸物件。世間の執拗なバッシングを浴びてパトリシアさんは住まいを変えていて、放火のあった物件には誰も住んでいなかった。

リオ・グランジ・ド・スウ州の連邦警察はすぐに捜査を開始して、即日中に容疑者の身柄を確保。逮捕されたのは電気技師のエウトン・グライー容疑者で、過去にも銃刀法違反や強盗、麻薬取引など複数の罪で起訴されている前科持ちのようだ。5月22日に娑婆へ解放されてから4ヵ月足らずで再び刑務所へ戻ることになりそうな同容疑者は、警察の調べに対し「酔った勢いで放火した」と述べているという。

パトリシアさんの弁護士アレシャンドレ・ホザート氏は「彼女は騒動の直後に自身の行為を謝罪している。彼女に対する非難や攻撃も、行き過ぎれば“犯罪”となることを認識してもらいたい。今回の放火は行き過ぎた犯罪だ」と警鐘を鳴らしている。

同弁護士によれば、パトリシアさんは現在ポルト・アレグレに住んでおらず、両親などとともに別の街に移り住んでいる。防犯上の理由から、現在の彼女の所在は明らかにされていない。

人種差別騒動の二次犯罪発生 加害者のInstagramアカウントが炎上

2014.09.01 コパ・ド・ブラジウ 2014
▲ 「macaco(マカーコ)」を連呼していたとされる女性グレミスタの Instagram の画面。炎上したのち、彼女は自身のアカウントを削除する事態に追い込まれた

先週ブラジルで発生した人種差別発言が、二次犯罪を誘発している。当日スタンドから「macaco(ポルトガル語で“猿”)」を連呼していたとされる女性グレミスタをターゲットにした誹謗中傷がインターネット上で勃発。該当の女性は、Instagram のアカウントを削除せざるをえない事態に追い込まれた。

該当の女性がインターネット上でバッシングされる契機となったのは、先週の試合中にスタンドの最前列から“猿”を意味するポルトガル語「macaco(マカーコ)」を連呼。そのとき叫んでいる様子を ESPN のテレビカメラが鮮明に映していたことから、彼女が犯人の筆頭格に仕立て上げられてしまった。(実際に人種差別発言をしていたのは数十人のグレミスタに及ぶため、彼女一人が犯人ではない)

事件後、人種差別発言はブラジル国内で騒動に発展。ESPNのテレビカメラに映っていた女性グレミスタに対してはネット上で誹謗中傷が繰り広げられた。該当の女性は炎上したことを受けて Instagram のアカウントを削除したが、彼女の住所などがネット上に拡散し、自宅への投石なども発生。彼女は勤務先を退職する羽目になった。

地元警察の捜査によれば、該当の女性宅を訪問したものの不在だったとのこと。身の危険を感じている彼女は、実家へ戻っている上に専属の弁護士をつけて事後に備えているという。担当弁護士は一連の事象について「人種差別は許されることでないが、ネット上での誹謗中傷や住居への投石は明らかな犯罪。法的措置を講じるしかない」と述べている。

テレビの映像を契機にターゲットとなった女性グレミスタは、再び平穏な日々を過ごせるようになるのだろうか。

なくならない人種差別 グレミスタがサントスの守護神に「マカーコ」を連呼

2014.08.29 コパ・ド・ブラジウ 2014
▲ 人種差別発言に及んだグレミスタに向かって激しく抗議するサントスのGKアラーニャ(1番)

8月28日にブラジル国内で行われた試合中に、複数のサポーターが人種差別発言をしたことが物議を醸している。中傷のターゲットにされたサントスのGKアラーニャは試合後、涙ながらに“犯人たち”の言動を嘆いた。

人種差別発言があったのは、ブラジル南部(リオ・グランジ・ド・スウ州)のポルト・アレグレで行われたコパ・ド・ブラジウの決勝トーナメント1回戦 1st.Leg「グレミオ vs サントス」の試合中。サントスの2点リードで迎えた試合終了間際の89分に、それは起こった。
ゴール裏のスタンドを水色に染めたグレミスタ(グレミオのサポーター)から異口同音に“猿”を意味するポルトガル語「macaco(マカーコ)」が響き渡った。サントスのゴールを守るGKアラーニャはスタンドを見上げて身振り手振りを交えて抗議したが、マカーコの連呼は収まらず、アラーニャは主審のほうへ駆け寄って人種差別発言への対応を強く要求した。

マカーコと叫ぶ声は思いのほか大きく、ベンチに下がっていたホビーニョが怒りの表情でベンチから飛び出し、オズワウド・ジ・オリベイラ監督らになだめられる一幕まで見られた。
マカーコを連呼するグレミスタに対してはスタジアムのスタッフなどが口頭で注意すべく近づいたものの、主審はスタンドに近づこうとせずGKアラーニャやMFアロウカと口論に発展する場面もあった。一連の出来事を受けて試合は2分ほど中断した。

▲ スタンドから人種差別発言をしたとされる女性グレミスタ。口の動きから 「macaco(猿)」 と叫んでいることが容易に分析できる映像であった

試合終了後、報道陣に囲まれたアラーニャは目に涙を浮かべながら次のように心境を語った。
「このスタジアムにいた全員に聞こえたと思うが、一部の観客から『macaco(猿)』とののしられた。明確な人種差別であると考えるし、この事実をとても残念に思う。グレミスタに人種差別主義者が複数いることはよくわかった」

この人種差別に不快感を示したのはアラーニャだけではない。サントスのDFエドゥ・ドラセーナは「我々は民主主義の国で暮らしている。肌の色は何の関係もないのに、このような差別がサッカーの試合中に起こるなんて非常に残念だ。このような差別はサッカーから排除すべきであり、差別発言をした者は金輪際スタジアムに入場させてはいけない」と苦言を呈した。

ホビーニョは「あの発言は差別である上に侮辱でもある。最近も南米で人種差別が複数あったことは知っているけど、“肌の色で人間は区別されない”ということを全ての人が心に刻むべきだ」と激怒。
そして3月の試合中に自身が人種差別発言の“被害者”となったサントスのMFアロウカは、「決して受け入れることはできない。今回の差別発言は悪質であり、警察などの当局が明確な行動を起こしてくれることを期待している。法的な対処をしなければならない事態であると認識している」と言及している。