
マンコの揺れ動く思いは、着地点を見いだせていない。34歳の元ペルー代表MFレイモン・マンコは2月、リーガ1(ペルー1部リーグ)のクラブへの加入に迫っていたことを告白した。
マンコにオファーを出したのは、FPF(ペルーサッカー連盟)のアグスティン・ロサーノ会長が所有するクラブ「ファン・パブロ Ⅱ コレージェ」。今年1部に昇格したばかりのクラブで、残留に向けてマンコの力が必要との評価からのオファーだった。
しかし、マンコは現在優先したいことは“他のプロジェクト”と名言したうえで、ファン・パブロ Ⅱ コレージェからのオファーを蹴ったことも明かした。
「(今はどこにも)所属していない。私はやりたくないからプレイしていないんだ。最近、ファン・パブロ Ⅱ コレージェのフロントから私に電話があって、面談することも可能だった。でも、プロとしてプレイしたいとは思っていないんだよ。自分にはプロジェクトややりたいことがあるんだ」
「私は(今、YouTubeなどで)番組にも出演していて、サッカーへの愛は薄れていないが、考え方は異なる。サッカー界に迷惑をかけたくないんだよ。もちろん過去にプレイしたときは本当に楽しかった。でも今は、また(練習のために)早起きしなければならないタスクと責任を負いたくない」
プロとしてプレイしたいと思っていない。選手として早起きするのを避けたい。こうした主張を受けて、ペルー国内では「マンコが現役引退を宣言したのでは」と物議を醸した。ところが、マンコは曖昧な表現も残している。
「コパ・ペルーに出場する(1部や2部でもない)クラブに移籍することが自分の引退ではない。自分のやり方でプレイして楽しめるからね。(首都)リマにあるリーガ2(2部)のクラブに入るかもしれない。だが、地方に移籍するつもりはない」
マンコは引退したのか、していないのか。曖昧な態度に業を煮やしているのは、当サイトの読者だけではないはずだ。
◆ レイモン・マンコ
- 本名:
- レイモン・オランヘル・マンコ・アルバラシン
- 生年月日:
- 1990年8月23日生まれ(34歳)
- 出身:
- ペルー(ルリン)
- 身長:
- 172cm
- ポジション:
- ミッドフィルダー
17歳だった2007に名門アリアンサ・リマでデビューすると、同年にはU-17ワールドカップにも出場して3ゴールをマークし、一躍脚光を浴びた。18歳の若さでオランダの名門PSVアイントホーフェンに移籍したが、1年半でペルーに戻った。その後は国内外で移籍を繰り返していて、やがてペルー代表にも招集されなくなっている。ウニオン・コメルシオで復調すると、2019年はレアル・ガルシラッソに加入したが、新監督との確執や起用法への不満などからわずか5ヶ月間で退団。同年7月にスポルト・ボーイスに加入してチームの1部残留に貢献した。2020年は前年王者のデポルティーボ・アリアンサ・ウニベルシダーに移籍してリベルタドーレスにも出場したが、COVID-19のパンデミックによる中断期間中に首脳陣と対立して退団。アトレティコ・グラウへ移籍したが、チームを残留には導けなかった。2021年にはアリアンサ・ウニベルシダーに加入したが、こちらでもチームを残留には導けず。2022年はキャリア初の2部リーグに舞台を移したが、半年足らずでサントス・デ・ナスカを退団。同年7月にファン・アウリッチに加入して、チームの残留には貢献した。2023年は7人制サッカーに活躍の場を移し、2024年にはウニオン・コメルシオと契約したが、負傷により試合に出られず契約を終了。同年8月に同国2部のカルロス・ステインと契約したが同年中に退団。元ペルー代表。