
マンコがペルー代表の監督人事に物申した。34歳の元ペルー代表MFレイモン・マンコは、同国代表の新たな指揮官になったオスカル・イバーニェス新監督について厳しい見解を示した。
オスカル・イバーニェス氏は、57歳のアルゼンチン人。1986年にアルセナルでデビューすると、1993年からは引退する2008年までペルー国内のクラブを渡り歩き、ペルー国籍を取得した1998年からはペルー代表のゴールキーパーとしても活躍した。引退後、2014年からはシエンシアーノ・デ・クスコ、レアル・ガルシラッソなどペルー国内のクラブで監督を歴任しており、彼の人生は今やアルゼンチンよりペルーのほうが長い。
オスカル・イバーニェス氏は、リカルド・ガレカ氏がペルー代表監督を務めていた際にアシスタントコーチを務めていたこともあり、ペルーサッカー界やペルー代表にも一定以上の理解がある。それゆえFPF(ペルーサッカー連盟)から白羽の矢が立てられたようだが、そんな同氏に牙をむいたのがマンコ。
「客観的には、オスカル・イバーニェスはペルー代表にいるべきではない。私が彼を好きとか嫌いとかではなく、彼には監督としての長所がないからだ」
その一方でマンコは、ペルー代表の新たな船出を応援する意向も示した。いわば、期待の裏返しなのか。
「イバーニェスはペルー代表で長年プレイしたほか、国内リーグやスダメリカーナでも優勝経験がある。だが、選手としての能力と監督としての能力は別物だ。選手としては優秀だったが、監督としての功績はない。FPFが南米予選において何を望んでいるのかはわからないが、別の監督を招聘した際にイバーニェスがキーパーコーチを継続してくれることを願うだけだね」
持論を述べたマンコは、ペルー代表の招集についても自らの考えを述べた。
「イバーニェス新監督が結果にこだわって指揮するのならかまわない。ただ私は、ベテランが新人のために代表の席を譲ることが大事だと考えている。なぜなら、代表に定着した選手のなかには燃え尽きてしまう者もありうるからだ。重要なのは、そのときコンディションの良い選手を最優先で招集すること。そうすれば有能でありながら燃え尽きた選手の闘志も再燃し、代表の底上げにもつながるから」
オスカル・イバーニェス氏の代表監督契約期間は、ひとまず今回の南米予選終了まで。マンコの主張が、代表新監督の耳に届いているかは定かでない。
◆ レイモン・マンコ
- 本名:
- レイモン・オランヘル・マンコ・アルバラシン
- 生年月日:
- 1990年8月23日生まれ(34歳)
- 出身:
- ペルー(ルリン)
- 身長:
- 172cm
- ポジション:
- ミッドフィルダー
17歳だった2007に名門アリアンサ・リマでデビューすると、同年にはU-17ワールドカップにも出場して3ゴールをマークし、一躍脚光を浴びた。18歳の若さでオランダの名門PSVアイントホーフェンに移籍したが、1年半でペルーに戻った。その後は国内外で移籍を繰り返していて、やがてペルー代表にも招集されなくなっている。ウニオン・コメルシオで復調すると、2019年はレアル・ガルシラッソに加入したが、新監督との確執や起用法への不満などからわずか5ヶ月間で退団。同年7月にスポルト・ボーイスに加入してチームの1部残留に貢献した。2020年は前年王者のデポルティーボ・アリアンサ・ウニベルシダーに移籍してリベルタドーレスにも出場したが、COVID-19のパンデミックによる中断期間中に首脳陣と対立して退団。アトレティコ・グラウへ移籍したが、チームを残留には導けなかった。2021年にはアリアンサ・ウニベルシダーに加入したが、こちらでもチームを残留には導けず。2022年はキャリア初の2部リーグに舞台を移したが、半年足らずでサントス・デ・ナスカを退団。同年7月にファン・アウリッチに加入して、チームの残留には貢献した。2023年は7人制サッカーに活躍の場を移し、2024年にはウニオン・コメルシオと契約したが、負傷により試合に出られず契約を終了。同年8月に同国2部のカルロス・ステインと契約したが同年中に退団。元ペルー代表。