“ピンク色のマンコ”がノーギャラで復活へ 7月15日の現役引退発表から一転

2025.07.30 リーガ1(ペルー1部リーグ) 2025
▲ かつて所属したスポルト・ボーイスで34歳の元ペルー代表MFレイモン・マンコ(写真は2019年に残留を決めた直後の様子)

ピンク色のマンコが帰ってくる。34歳の元ペルー代表MFレイモン・マンコは26日、古巣のスポルト・ボーイスで現役復帰する意向を示した。15日の現役引退発表後からわずか10日ほどでの引退撤回宣言だ。

マンコは15日に自身のYouTubeチャンネルにて、現役引退を正式に発表していた。「サッカーに対する見方が変わり、決断を迫られた。私の人生を変えてくれたサッカーに感謝している。サッカーのおかげで母のために家を建てることもできたし、姉妹もサポートできて快適な生活を送ることができた」と述べたマンコは、今後リーガ1(ペルー1部リーグ)やリーガ2(ペルー2部リーグ)でプレイする姿を見せることはないとも説明していた。

ところが、マンコは引退を覆して再びピッチに戻る決断に至った。その理由は、33歳の元ペルー代表MFアレハンドロオーベルがスポルト・ボーイスを退団してシエンシアーノ・デ・クスコへ移籍したことも関係しているという。

「オーベルがスポルト・ボーイスを去った。そこでクラブの関係者からまたうちでプレイしてくれないかとの打診があったんだ。コンディションを戻すのに1ヵ月ほどかかると思うが、私は再びピッチに戻ろうと決めたんだ」

ピンク色のユニフォームに袖を通してスポルト・ボーイスの一員になるマンコは、なんとノーギャラ(無給)での契約を了承した。その背景に、すでに他界している祖父との思い出が大きく影響しているとマンコは語る。

「おじいちゃんが熱心なスポルト・ボーイスのインチャ(サポーター)で、幼い頃何度かスタジアムに連れてってもらっていたんだ。アリアンサ・リマやPSVアイントホーフェンなどでもプレイしたけど、いつかスポルト・ボーイスでもプレイしたいと思っていた。だから2019年に加入したときは、おじいちゃんのおかげだと思ったよ」

2019年当時、リーガ1で残留争いの渦中にあったスポルト・ボーイスに加入したマンコは、16試合に出場して2ゴール2アシスト。チームの1部残留にも貢献した過去がある。そんなスポルト・ボーイスは今季、前期を13位で終えると、後期は2節を消化して連敗と最下位に低迷している。

現役引退の発表から2週間も経たぬうちに現役復帰を表明したマンコ。ピンク色のユニフォームに再び袖を通し、ピッチで輝きを放つことはできるのか。

◆ レイモン・マンコ

本名:
レイモン・オランヘル・マンコ・アルバラシン
生年月日:
1990年8月23日生まれ(34歳)
出身:
ペルー(ルリン)
身長:
172cm
ポジション:
ミッドフィルダー

17歳だった2007に名門アリアンサ・リマでデビューすると、同年にはU-17ワールドカップにも出場して3ゴールをマークし、一躍脚光を浴びた。18歳の若さでオランダの名門PSVアイントホーフェンに移籍したが、1年半でペルーに戻った。その後は国内外で移籍を繰り返していて、やがてペルー代表にも招集されなくなっている。ウニオン・コメルシオで復調すると、2019年はレアル・ガルシラッソに加入したが、新監督との確執や起用法への不満などからわずか5ヶ月間で退団。同年7月にスポルト・ボーイスに加入してチームの1部残留に貢献した。2020年は前年王者のデポルティーボ・アリアンサ・ウニベルシダーに移籍してリベルタドーレスにも出場したが、COVID-19のパンデミックによる中断期間中に首脳陣と対立して退団。アトレティコ・グラウへ移籍したが、チームを残留には導けなかった。2021年にはアリアンサ・ウニベルシダーに加入したが、こちらでもチームを残留には導けず。2022年はキャリア初の2部リーグに舞台を移したが、半年足らずでサントス・デ・ナスカを退団。同年7月にファン・アウリッチに加入して、チームの残留には貢献した。2023年は7人制サッカーに活躍の場を移し、2024年にはウニオン・コメルシオと契約したが、負傷により試合に出られず契約を終了。同年8月に同国2部のカルロス・ステインと契約したが同年中に退団。元ペルー代表。